3. 守りたい人 - 和楽器バンド
社会人の自分が捉える音楽はどこまで作家に近づくことが出来ているのだろうか。
様々な経験を積むたび、歌詞の意味や、その表現の鋭さに圧巻される作品がある。
三回目の今回は和楽器バンドのファンクラブ八重流限定楽曲の「守りたい人」に迫る。
ライブのエンドロールで偶然耳にしてすっかり聴き惚れてしまった曲だ。
絶望、孤独の苦しみの中
誰も信じられなくなった世界
その中で、何度も書き直したメッセージがあった
君に伝えなければと言う、ただその一心で
僕は自分の臆病さを悔やみながら、まだ夢を捨てられずにいる
あと少しの勇気を求めながら
君が背負った物の重さを知り
僕は何度も戻りやり直した、自分と向き合うことを
そしてやっと明日が見えるところまでやって来た
ここならまだ、生きて行く価値がある
そう思える
自分の存在価値、それに向き合う苦しみを共にする仲間に向けた曲だと思った。
和楽器バンドと称しても、リスナーからするとひとつの音楽である。楽器や演奏方法は表現の手段に過ぎない。
つまり、この曲にあるようにファンや仲間と向き合う姿勢が和楽器バンドの本質的な魅力なんだと思う。それは和とロックの精神の融和なのかもしれない。